仏性とは

私たちは日々、喜びや悲しみ、迷いや苦しみの中で生きています。それは人間として自然なことですが、その感情や状況に囚われすぎると、自分自身が何者であるかを見失いがちです。しかし、仏教の教えはこう示しています――私たちの本質は「仏」であり、常に仏の光の中で生きている、と。

この「仏性」とは、すべての人が持つ仏の性質を指します。それは、慈悲に満ち、智慧を備えた尊い存在です。どんなに弱さや過ちがあったとしても、その本質が消えることはありません。阿弥陀如来の光明は、この仏性を目覚めさせる力を持ち、私たちを常に照らし、導いています。この光は、私たちが気づこうが気づくまいが、変わらずそこにあり、迷いや苦しみの闇の中でも輝き続けています。

「仏と共にある」とは、自分が一人ではないと知ることです。孤独や不安に苛まれるとき、仏が共に歩んでいると知ることで、心に安心が生まれます。その安心感が、私たちに新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。また、仏の光に気づくことは、自分の中にある仏性――すなわち慈悲や智慧を実感することでもあります。

この教えを日常に生かすには、苦しいときほど「仏の光」を心に思い浮かべることが大切です。たとえば、自分に対して優しくなれないとき、あるいは他者を許すことが難しいとき、「仏の光は自分をも、相手をも包み込んでいる」と考えてみてください。そうすることで、心が少しずつ柔らかくなり、本来の自分――仏と共にある自分に気づくことができます。

私たちは常に仏と共にあり、その存在が私たちを支え、導いています。自分の本当の姿を信じ、仏の光と共に歩む日々を大切にしていきましょう。

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この記事を書いた人

大阪府東大阪市の龍眞院(代表 小田昌良)です。浄土真宗本願寺派の僧侶として、関西一円でお葬式や法要を心を込めてお勤めしております。

ご縁をいただいた方々が、阿弥陀如来の大きな慈悲に包まれ、少しでも安心してご先祖供養に向き合っていただけるよう、日々精進しております。

このホームページでは、仏事に役立つ情報や仏教の教えを日常に活かす法話を発信しています。

またXでも法話を配信し、より多くの方に仏縁を結んでいただけるよう努めております。

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