私たちは日々、喜びや悲しみ、迷いや苦しみの中で生きています。それは人間として自然なことですが、その感情や状況に囚われすぎると、自分自身が何者であるかを見失いがちです。しかし、仏教の教えはこう示しています――私たちの本質は「仏」であり、常に仏の光の中で生きている、と。
この「仏性」とは、すべての人が持つ仏の性質を指します。それは、慈悲に満ち、智慧を備えた尊い存在です。どんなに弱さや過ちがあったとしても、その本質が消えることはありません。阿弥陀如来の光明は、この仏性を目覚めさせる力を持ち、私たちを常に照らし、導いています。この光は、私たちが気づこうが気づくまいが、変わらずそこにあり、迷いや苦しみの闇の中でも輝き続けています。
「仏と共にある」とは、自分が一人ではないと知ることです。孤独や不安に苛まれるとき、仏が共に歩んでいると知ることで、心に安心が生まれます。その安心感が、私たちに新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。また、仏の光に気づくことは、自分の中にある仏性――すなわち慈悲や智慧を実感することでもあります。
この教えを日常に生かすには、苦しいときほど「仏の光」を心に思い浮かべることが大切です。たとえば、自分に対して優しくなれないとき、あるいは他者を許すことが難しいとき、「仏の光は自分をも、相手をも包み込んでいる」と考えてみてください。そうすることで、心が少しずつ柔らかくなり、本来の自分――仏と共にある自分に気づくことができます。
私たちは常に仏と共にあり、その存在が私たちを支え、導いています。自分の本当の姿を信じ、仏の光と共に歩む日々を大切にしていきましょう。