【すべては繋がり、独立したものは存在しない】

華厳経が説く「縁起」の教えは、全ての存在が互いに関係し合い、独立した存在がないことを示しています。一枚の葉の成長を考えると、土、水、太陽、空気、木、その木を支える根や大地が不可欠です。それだけでなく、それらを生み出した宇宙の営みまでもが関与しています。こうした繋がりは、私たち人間にも当てはまります。私たちが「今、ここ」に存在するのは、家族や友人、社会、自然環境、さらには過去から続く無数の命と行いによる恩恵です。

この視点を持つと、自分一人の力だけで生きているという錯覚が崩れ、「私のもの」「私だけ」といった執着から解放されます。これは「無我」の教えに通じるものです。無我とは、「私」という独立した固定的な存在がなく、全てが縁起によって成り立っていることを意味します。この理解が深まると、自他の区別が薄れ、他者や環境を思いやる心が自然と育まれます。

また、縁起の法則に基づけば、他者を大切にし、自らの行動を整えることが、自分自身の幸せにも繋がることが分かります。この繋がりの中で、自分の役割を自覚し、周囲に感謝しつつ調和を目指して生きることが、真の平和と安らぎをもたらす道です。「すべては繋がっている」という気づきが、私たちの生き方を根本から変え、より豊かな人生へと導いてくれるのです。合掌🙏

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この記事を書いた人

大阪府東大阪市の龍眞院(代表 小田昌良)です。浄土真宗本願寺派の僧侶として、関西一円でお葬式や法要を心を込めてお勤めしております。

ご縁をいただいた方々が、阿弥陀如来の大きな慈悲に包まれ、少しでも安心してご先祖供養に向き合っていただけるよう、日々精進しております。

このホームページでは、仏事に役立つ情報や仏教の教えを日常に活かす法話を発信しています。

またXでも法話を配信し、より多くの方に仏縁を結んでいただけるよう努めております。

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