
すべてがつながっていると理解すれば、他者への思いやりや感謝の心も自然と生まれます。
縁起(えんぎ)とは
私たちの人生は、一つひとつの縁(つながり)によって成り立っています。目の前に起こる出来事は、すべて過去の行い(因)が積み重なり、縁を得て結果となって現れたものです。この因果の法則は仏教の基本的な教えであり、私たちは偶然に生きているのではなく、必然的な流れの中で生かされているのです。
たとえば、一本の木を見ても、その木が存在するのは種がまかれ、土があり、水と太陽の光を受け、さらに風や昆虫の働きなど、さまざまな要素が関わった結果です。同じように、私たちの人生も多くの人や環境との関わりによって成り立っています。このことに気づけば、自分ひとりの力で生きているのではなく、支えられていることが見えてきます。
また、縁起の法則を理解することは、自分の行動を見つめ直すきっかけにもなります。私たちの言葉や行動は、やがて未来の結果を生み出します。善い行いをすれば良い縁を生み、悪い行いをすれば悪い縁を作る。だからこそ、日々の行動がどんな結果につながるのかを意識し、少しでも良い縁を紡ぐ努力が大切です。
そして、すべてがつながっていると理解すれば、他者への思いやりや感謝の心も自然と生まれます。家族や友人、職場の仲間、そして自然や社会まで、私たちは多くのものに支えられながら生きています。そのことに気づき、感謝することで、さらに良い縁が生まれ、心豊かな人生を歩むことができるでしょう。
すべてのものは因と縁によって成り立っている。その法則を受け入れ、調和の中で生きることが、仏教の示す「縁起」の教えなのです。
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は49日法要のご縁でもお伝えすることがあります。仏教では亡き方を偲ぶ最初の大きな法要が49日です。
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