
物の多さではなく、「満足できる心」こそが、本当の豊かさなのです。
「今、この瞬間」に意識を向ける
仏教の教えに知足(ちそく)という言葉があります。「足るを知る」とは、今あるものに満足し、それ以上を求めすぎないことを意味します。私たちは日々、「もっと良いものを」「もっと豊かに」と願います。しかし、欲望には際限がなく、一つ満たされても次の欲が生まれ、終わりがありません。
例えば、新しいスマートフォンを手に入れたとき、最初は喜びますが、すぐに「もっと性能が良いものが欲しい」「次のモデルが出たら買い替えたい」と思うことがあります。物欲は満たした瞬間から、新たな欲望が湧いてくるものなのです。このように、外の世界に幸福を求めている限り、心は満たされることがありません。
では、どうすれば本当の豊かさを得られるのでしょうか?それは、「今、この瞬間」に意識を向けることです。たとえば、温かいお茶を飲むとき、その香りや味をじっくりと味わえば、それだけで心は満たされます。しかし、「もっと高級な茶葉があれば」「特別な茶器が欲しい」と考え始めると、今ある幸せに気づけなくなります。
大切なのは、「今、ここにあるもの」に感謝し、それを味わうこと。 そうすれば、余計な欲望に振り回されることなく、心穏やかに過ごせます。物の多さではなく、「満足できる心」こそが、本当の豊かさなのです。
今日も「知足」の心を大切にし、目の前の幸せに気づきながら、心豊かな一日を過ごしましょう。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
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