
私たちの知識や価値観も、さまざまな人や環境との縁によって成り立っています。
自分の考えに固執しない
私たちは日々の生活の中で、無意識のうちに「自分の枠」を作り、その中で物事を判断しています。自分の経験や価値観を基準にして、良し悪しを決めたり、他人を評価したりすることは誰にでもあることです。しかし、それが行き過ぎると、狭い視野の中に閉じこもり、成長の機会を失ってしまいます。
仏教では 無我(むが)という教えがあります。これは、「自分」というものが固定された実体ではなく、周りとの関係性の中で成り立っているという考えです。私たちは他者との関わりによって影響を受け、変化し続けています。それにもかかわらず、「自分はこういう人間だ」「この考えが正しい」と決めつけてしまうと、新しい学びや気づきを受け入れる余地がなくなってしまいます。
また、仏教には 縁起(えんぎ)の教えがあります。これは、すべてのものは互いに影響し合いながら存在しているという考えです。私たちの知識や価値観も、さまざまな人や環境との縁によって成り立っています。自分の考えに固執せず、他者の意見に耳を傾けることで、より広い視野を持つことができるのです。
現代社会では、SNSやインターネットの発展により、自分と似た価値観の人とばかり繋がりやすくなりました。その結果、自分にとって都合のいい情報だけを受け取ることが増え、異なる意見を排除してしまう傾向があります。しかし、それでは「自分の枠」の中に閉じこもり、智慧を広げることはできません。仏教では 和顔愛語(わげんあいご)という言葉があり、穏やかな表情と優しい言葉で人と接することの大切さを説いています。他者を尊重し、違う価値観にも目を向けることで、自分の枠を広げることができるのです。
今日一日、自分の考えや価値観にこだわらず、新しい視点を受け入れてみましょう。そうすることで、これまで気づかなかった智慧が芽生え、より豊かな心で日々を過ごせるようになるはずです。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
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