
京都市の出張法要での出来事
私が出張法要を始めた頃、お世話になりながら多くを学ばせていただいた某有名なお寺での出来事です。2009年の桜が散り始める頃でした。
ある日、そのお寺から法要を任されて京都市内へお参りしました。法要は「八回忌」でした。(京都府でのお坊さん出張のご縁の始まりです。)
この日をきっかけに、京都で「派遣型のお寺」として出張法要を重ねる中で、たくさんのご縁をいただくようになりました。

百歳近いお婆ちゃんとの出会い
お伺いしたご自宅には、百歳近くになられるお婆ちゃんがお一人でいらっしゃいました。
私は約40分ほどの法要を心を込めて勤修させていただき、その後、粗茶を頂きながらお話をしてお布施をお預かりし、丁寧にお礼を申し上げて帰路につきました。
そっと覗いたお布施袋の中に
翌年もそのお婆ちゃんのお宅に「九回忌法要」でお伺いさせていただきました。
法要を終え、粗茶を頂いてお布施をお預かりしたのですが、私はどうしてもお婆ちゃんのご負担が気になりました。
そしてお寺に戻る前に、お布施袋の中をそっと覗くと「3万5千円」が入っておりました。

お寺からも「ご主人が亡くなられてから毎年欠かさず法要をされている方だ」と聞かされていました。
そして翌年の「十回忌法要」にもお伺いし、法要が終わった後に粗茶を頂きながらお話している時、思い切ってお婆ちゃんにお尋ねしました。
お婆ちゃんの笑顔に宿る真心
「前回のお布施が3万5千円入っていて驚きました。ご無理をなさらない方が良いですよ。もう少しお布施の額を少なくされてはどうですか?」
するとお婆ちゃんは、にこやかな笑顔でこう仰いました。
「毎年、この法要が何より楽しみなんです。生活保護費から毎月3千円ずつ貯めています。だから無理じゃないんですよ。」
その微笑みが、私の心に深く刻まれました。

さらにお話を聞くと、毎月3千円を一年間で3万6千円にし、そのうち3万5千円をお布施として、残りの千円でお供物を用意されているとのことでした。
私の中で決意が生まれた瞬間
私は、法要を心から喜ばれているそのお姿に胸を打たれ、仏さまへの深い想いに頭が下がる思いでした。
この時、私は決意しました。
あの日のお婆ちゃんの笑顔は、今でも忘れられません。
生活は決して豊かではなかったのに、法要の日を心から楽しみにされていました。
その姿を見て、「お布施とは金額ではなく、心そのものなのだ」と気づかされました。
その一方で、どれだけ立派な家でも、仏さまへの想いが薄れてしまえば、本当のご供養にはなりません。
だからこそ、私は「お布施3万5千円」という金額を、人と仏さまをつなぐ“心の物差し”として定めたのです。
このお婆ちゃんのお布施を基準にすれば、生活の状況に関係なく、誰もが法要を続けることができる。

そして、仏さまを慕う心を持つ方々が、経済的な理由で仏縁を途切れさせることがないようにしたい。
その願いを胸に、「派遣型のお寺」としてのネット活動を立ち上げ、「お坊さん@出張®︎」を始めました。
法要のお布施総額を 3万5千円 と定めたのは、このお婆ちゃんの想いが原点なのです。
すべての出張法要を明確な総額で
この額を基準に、49日法要・年忌法要・初盆法要など、すべての出張法要のお布施総額を明確にいたしました。
安心してご依頼いただけるように、追加料金は一切いただいておりません。
お布施は仏法を広める「法施」に活かされています。
そして、お布施は単なる「対価」ではなく、仏法を広める「法施(ほうせ)」の活動に活かされているのでしょうか?
お坊さん@出張では、皆様からお預かりしたお布施を通じて、ホームページの法話ブログやSNSを通じて日々ご法話をお届けし、仏さまの教えをたくさんの方々に伝えています。
それと同時に私も日々、仏様の教えを皆様と共に学ばせて頂いております。

ご先祖さまの功徳として広がるご供養の輪が世界中へと連鎖する
つまり、皆様のご先祖さまのご法要をご縁としてお預かりしたお布施が、さらに多くの人々に仏縁を結ぶきっかけとなり、ご先祖さまの功徳として世界中へと広がっていくのです。
お布施をお渡しくださったその瞬間から、功徳の連鎖が巡りはじめます。それは、まさに目に見えないご供養の輪。
仏さまの慈悲が、皆さまのご先祖を通じて、今を生きる私たちの心にも届いているのです。
本当のご供養とは何か
私はその功徳の流れを感じるたびに、「これこそが本当のご供養だ」と、心から嬉しく思います。
そして、その想いを糧に日々精進させていただいております。
いかがでしょうか。
これからも「お坊さん@出張®︎」と共に、真心のこもったご供養を大切にしてまいりましょう。
結び 真心のお布施が導くご供養

皆さまは──
派遣会社のお布施という名の「料金」で
その会社の成長を支えたいと思われますか。
それとも──
ご先祖さまの功徳となる「真心のお布施」を
お選びになられますか。
お布施の行き先が、利益に向かうのか。
それとも功徳に向かうのか。
その違いに、気づいていただけたら
私は、心から嬉しく思います。
合掌

FAQ形式 要点まとめ
お布施の3万5千円には何が含まれていますか?-
法要の読経料・お車代・御膳料など、すべて含まれている総額です。追加料金は一切ありません。
法要の時間はどれくらいですか?-
約30~40分ほどです。ご家族のご都合に合わせて少し短く調整することも可能です。
お布施はどのように使われていますか?-
皆さまからお預かりしたお布施は、ホームページの法話ブログやSNSで法話を発信する「法施」の活動に活かされています。
仏法を広く伝えることで、ご先祖さまの功徳がさらに多くの人に届くよう努めております。
年回忌法要早見表をご覧いただくと、今年のご法要日程がすぐに分かります。