
仏さまは決して「忘れろ」とは言われません。大切なのは「とらわれないこと」。
岩の人・砂の人・水の人
水はどんな器にも合わせて形を変え、流れ続けます。この「水のような心」は、仏教の「無執着」という教えに通じます。こだわりや欲に縛られず、変化する世の中や人との関わりを素直に受け入れることで、心は自然と穏やかになります。
人の心の例えに「岩の人・砂の人・水の人」という話があります。怒りを岩に刻むように、いつまでも消せずに引きずる人。時間と共に消える砂のような人。そして、水に文字を書いてもすぐに消え、跡すら残さない人。私たちは、この「水の人」を目指すべきでしょう。
怒りや悲しみ、過去の出来事に執着し続けると、心はどんどん重くなり、前に進めなくなります。反対に、水のような柔らかい心であれば、たとえ嫌なことがあっても、サッと流して次へ進むことができます。
仏さまは決して「忘れろ」とは言われません。大切なのは「とらわれないこと」。思い出は思い出として心にしまい、必要以上に抱え込まない。それが、無執着の実践であり、柔らかな心を育てる生き方です。
水のように生きることで、心は軽くなり、笑顔が自然とこぼれていくでしょう。今日一日、しなやかに柔らかく過ごしていきましょう。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は49日法要のご縁でもお伝えすることがあります。仏教では亡き方を偲ぶ最初の大きな法要が49日です。
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