
心の鏡を曇らせるのも自分なら、磨けるのもまた自分なのです。
人の心は、まるで一枚の鏡
本来、鏡はありのままを映し出すものですが、怒りや嫉妬、執着、欲望といった煩悩に覆われると、次第に曇り、真実の姿が見えなくなってしまいます。相手の言葉が刺さったり、些細な出来事に心が揺れ動くとき、それは鏡に埃が積もっている状態なのかもしれません。
仏教では、この曇りの正体を 煩悩(ぼんのう)と呼びます。そして、その煩悩に振り回されず、澄んだ心で生きる在り方を 清浄心(しょうじょうしん)として大切に説いてきました。
心の鏡を磨くとは、煩悩を無理に消そうとすることではありません。湧き上がる感情に気づき、「ああ、今こんな思いが起きているな」と静かに見つめること。それが、磨く一歩なのです。
日々の生活の中での小さな反省、当たり前だと思っていたことへの感謝、そして仏法にふれる時間。それらはすぐに劇的な変化をもたらすものではありませんが、確実に心の曇りを薄くしてくれます。
鏡が澄んでくると、物事を自分中心ではなく、ありのままに受け止められるようになり、自然と穏やかな言葉や、思いやりのある行動が生まれてきます。
その清らかな心は、自分だけで完結するものではありません。柔らかなまなざしや一言が、周囲の人の心にも静かな光を灯し、その光はやがて仏のはたらきとして広がっていくのです。
鏡を曇らせるのも自分なら、磨けるのもまた自分。
今日という一日も、心をそっと整えながら、仏さまとともに歩んでまいりましょう。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
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