
ご先祖様の積み木を受け継ぐ供養
私たちの人生は、幸せや絆という積み木を一つひとつ積み上げていく営みにたとえることができます。けれども、残念ながらその積み木が崩れ去る時は必ず訪れます。大切なのは、崩れてしまったからといって、積み木そのものが消えてしまうわけではないということです。ご先祖様が築き上げてきた積み木も、時に崩れます。しかし、その積み木に込められた「素材」・・・すなわち真心は失われません。その真心とは、家族の幸せや健康を願い、自分以外の誰かを思いやる慈しみの心です。
法要とは、このご先祖様の真心を受け取り、同じ気持ちで再び積み上げていく営みです。もしそれを形式的に済ませてしまえば、積み木の上には「罪悪感」という重荷が積み重なり、心に澱のように残ってしまいます。供養とは仕事のように処理するものではなく、ご先祖様の思いを受け継ぎ、自らの手で積み直すことに大切な意味があります。
つまり供養とは、過去を修復する作業ではなく、真心という素材を未来に繋げていく営みなのです。私たちがその積み木を受け継ぎ、同じ慈しみの心で積み上げていくことこそ、ご先祖様への最大の報恩となり、残された者の使命であるといえるでしょう。今一度、原点に立ち返り、供養の意味を見つめ直していただきたいと思います。
積み木は一人では高く積むことはできません。誰かが支え、誰かが受け継ぐことで初めて形となります。ご先祖様の思いは、今を生きる私たちの心に支えられて積み重ねられていくのです。そして私たちが積んだ真心の積み木は、次の世代へと受け継がれていきます。こうして繋がる供養の道こそ、永遠に崩れることのない絆であり、阿弥陀様のお導きそのものなのです。
それが真の供養であり、私たち自身の心を育てる道でもあります。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は四十九日法要のご縁でもお伝えすることがあります。故人が仏様の御国に往生される大切な節目が「四十九日法要」です。
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