
他人の人生は他人のものであり、あなたの人生はあなただけのもの。誰とも比べる必要はありません。
すべてがご縁で成り立つ
私たちは日々、他人と比べてしまいます。収入や地位、才能、見た目…。比較をすると、自分が優れていると感じるときは一時的に安心し、劣っていると感じるときは焦りや劣等感に苦しみます。しかし、こうした比較は終わりのない苦しみを生みます。仏教では「無我(むが)」を説きます。これは、「自分」という固定した実体はなく、すべてが縁によって成り立っているという教えです。
無我の視点に立てば、「他人と比べる自分」すらも縁によって生まれたものであり、絶対的なものではないと気づくことができます。他者との比較は、自己を固定したものと誤解し、「私はこうあるべきだ」「こうでなければならない」と執着する心から生まれます。しかし、真理としての「私」は、刻々と変化するものであり、どの瞬間も新たな縁によって成り立っています。
仏教では、ありのままの自分を受け入れることを「自受法楽(じじゅほうらく)」といいます。他者と比較することをやめ、今の自分が与えられた縁を大切に生きるとき、心は穏やかになります。焦らず、自分の道を一歩ずつ歩むことこそ、真の安らぎへとつながる道です。
解脱とは、他者との比較による苦しみから自由になること。他人の人生は他人のものであり、あなたの人生はあなただけのもの。誰とも比べる必要はありません。すべての縁を受け入れ、今ここを大切に歩んでいきましょう。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は百箇日法要のご縁でもお伝えすることがあります。ご家族が区切りを迎えるご供養については百箇日法要ページを参照して下さい。
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