
思いやりは特別な行為ではなく、日々の小さな言葉や態度の中にこそ宿ります。
深い思いやりの心
夏の日差しが照りつける中、大樹の影が私たちに涼しさを与えるように、温かな思いやりは人の心を和らげ、安心を生みます。仏教では、この優しさを 慈心(じしん)といいます。慈心とは、他者の幸せを願い、苦しみを取り除こうとする心です。
しかし、思いやりとは単に親しい人に優しくすることだけではありません。本当の慈しみとは、関係のない人や、自分にとって都合の悪い人にも平等に向けられるものです。木陰が誰に対しても分け隔てなく涼しさを与えるように、私たちの思いやりもまた、相手を選ばず自然に広がるべきものです。
仏教では 四無量心(しむりょうしん)と呼ばれる四つの心があります。それは、「慈(いつくしみ)」「悲(あわれみ)」「喜(ともによろこぶ心)」「捨(こだわりを手放す心)」です。この四つを実践することで、私たちはより深い思いやりの心を育むことができます。
たとえば、買い物をしたときに「ありがとう」と笑顔で伝えること。それだけで店員さんの心が和らぎ、安心感を持てるかもしれません。誰かが困っているときにさりげなく手を差し伸べること。それだけでその人の心が救われるかもしれません。思いやりは特別な行為ではなく、日々の小さな言葉や態度の中にこそ宿ります。
私たちが涼しい木陰のような存在となり、周りの人に安心を与えられるよう、今日もまた、優しさを忘れずに過ごしたいものです。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は四十九日法要のご縁でもお伝えすることがあります。仏教では亡き方を偲ぶ最初の大きな法要が49日です。
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