
妄念に気づかず振り回されてしまうと、怒りや不安、比較や執着が生まれます。
妄念に気づくことが大切
情報があふれる現代において、私たちは知らず知らずのうちに、多くの言葉や意見に心を揺さぶられながら生きています。正しそうに見える情報、もっともらしい主張、他人の価値観。それらに触れるたび、心は外へ外へと引き出され、本来向き合うべき自分自身の内側から離れてしまいがちです。
仏教でいう「妄念」とは、自己中心的な思い込みや、物事を自分の都合で解釈してしまう心の迷いを指します。妄念は決して特別なものではなく、誰の心にも自然に起こる働きです。しかし、その妄念に気づかず振り回されてしまうと、怒りや不安、比較や執着が生まれ、やがて自ら苦しみの火を大きくしてしまいます。
仏法の光は、その妄念を力づくで消そうとはされません。ただ静かに照らし出し、「それが妄念である」と気づかせてくださいます。気づきが生まれたとき、私たちは少し距離をもって自分の心を見つめることができ、無我の智慧へと一歩近づいていくのです。
誰かを正そうとしたり、世界を変えようとする前に、まず自分の心がどこで乱れ、どこで執着しているのかを静かに見つめてみる。その姿勢こそが、仏の教えに生きる第一歩なのかもしれません。
真理を見つめる者は、声高に主張することなくとも、その生き方そのものが道となります。今日一日を、静かな眼差しで、丁寧に生きてまいりましょう。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
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