
言葉をぶつければ争いという因が生まれますが、受け止めれば静けさという因が残ります。
自分の心を守る選択
私たちは日常の中で、つい言い返したくなる瞬間に出会います。
自分は間違っていない、分かってほしい・・・その思いが強いほど、言葉は鋭くなり、怒りは勢いを増します。
しかし仏教で説かれる「忍辱(にんにく)」は、ただ耐えることではありません。怒りを押し殺すことでもありません。怒りの炎をこれ以上広げない智慧の実践です。
言い返せば、その場は少しすっきりするかもしれません。けれど後になって「あんな言い方をしなければよかった」と悔やむ夜を迎えることもあります。関係がぎくしゃくし、次に顔を合わせるとき気まずさが残ることもあるでしょう。
一方で、あの一言を飲み込んだとき、怒りの連鎖はそこで止まります。それは相手を変えるためではなく、自分の心を守る選択です。これ以上、後悔や罪悪感を積み重ねないための慈悲でもあります。
怒りは縁によって起こる煩悩です。しかし、その煩悩に気づき、そこで立ち止まることができれば、私たちは因果の流れを少し変えることができます。言葉をぶつければ争いという因が生まれますが、受け止めれば静けさという因が残ります。そしてその因は、やがて穏やかな関係という果を結ぶこともあるのです。
忍辱とは、感情に負けないことではなく、感情を見つめること。怒りを消すのではなく、その奥にある不安や寂しさに気づくことでもあります。
沈黙は敗北ではありません。
未来の関係を壊さず、自分の心の平安を保つための、静かな強さなのです。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は四十九日法要や初盆法要のご縁でもお伝えすることがあります。
49日はご家族が集まり、感謝とお別れを偲ぶ大切な時です。
お盆の中でも特別に意義深いのが初盆です。
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