
三つの煩悩の働きが、私たちの心を疲れさせてしまうのです。
心の働きに気づくこと
私たちは日常生活の中で、ふと「まだ足りない」と感じることがあります。
もっと成功したい、もっと評価されたい、もっと豊かになりたい。何かを手に入れても、次の「まだ足りない」がすぐに顔を出します。
仏教では、この終わりのない欲の働きを三毒の煩悩と教えています。三毒とは、『貪(とん)・瞋(しん)・痴(ち)』の三つの心の働きです。
まず一つ目は貪(とん)。
これは「もっと欲しい」「まだ足りない」と求め続ける欲の心です。欲そのものが悪いわけではありませんが、限りなく求め続けると、心は休まることがありません。
二つ目は瞋(しん)。
欲が満たされない時、「どうして思い通りにならないのか」と怒りが生まれます。思い通りにならない現実に腹を立て、人や状況を責めてしまう心です。
そして三つ目が『痴(ち)』です。
これは、自分がその欲や怒りに振り回されていることに気づかない心の状態です。気づかないまま苦しみを繰り返してしまうことが、私たちの迷いの姿でもあります。
「足りない」と思い、思い通りにならず怒り、そしてその状態に気づかない。
この三つの働きが、私たちの心を疲れさせてしまうのです。
しかし、ふと立ち止まり、「自分は足りないという思いに振り回されているのかもしれない」と気づいた時、心の景色が少し変わります。
その瞬間、すでに多くのご縁や恵みを頂いて生きていることにも気づくからです。
仏教は「欲を無くしなさい」と厳しく命じる教えではありません。
むしろ、自分の心の働きに気づくことを大切にしています。
三毒の煩悩に気づいた時、私たちは初めて、
「すでに十分に与えられている」という世界に目を向けることが出来ます。
その気づきこそが、足るを知る心へと導いてくれる仏の智慧なのです。合掌🙏
次回の法要までの間も、日常の中で仏縁を感じていただける法話を発信してまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は四十九日法要や百箇日法要のご縁でもお伝えすることがあります。
仏教では亡き方を偲ぶ最初の大きな法要が49日です。
49日を過ぎて百日目に営むご供養が「百箇日法要」です。
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