
変わるルールと変わらぬ真理を知ることにより人生をしなやかに支えられます。
仏法は変わらぬ真理
法律は「肉眼」で見るもの、倫理や道徳は「虫眼鏡」で見るもの。そして仏法は「電子顕微鏡」で見るもの・・・私はこの三つのたとえに、人生の歩き方がそのまま示されているように思います。
法律は社会を維持するための最低限のラインであり、時代や情勢によって変化します。昨日まで許されていたものが、明日には禁止されることもある。だから法律だけに頼って生きようとすると、どこか落ち着かず、理不尽に振り回されているように感じることもあります。
倫理や道徳は、法律より少し深いところにある心の基準です。相手を思いやる気持ちや、社会で調和を保って生きるための指針。しかし、これもまた国や文化、育った環境によって色合いが変わるため、絶対ではありません。虫眼鏡がないと見えない細かさはありますが、それでもまだ“表面をなでている”域を出ません。
では、私たちが本当に安らぎを得られる基準はどこにあるのか。
それが「仏法」という電子顕微鏡で見る世界です。
仏法は、時代にも文化にも左右されない“変わらぬ真理”を説きます。人はなぜ迷うのか。なぜ苦しむのか。どうすれば心が静まり、他者を慈しむ智慧が育つのか・・・その根本に光を当ててくれます。
仏法に耳を傾け続けると、心の奥に潜んでいる本当の姿が少しずつ見えてきます。肉眼では見えず、道徳でも捉えきれなかった「真実」が、ようやく映り始めるのです。そこに触れると、人は強くも優しくもなれる。なぜなら、外のルールに振り回される生き方から、内なる真理に導かれる歩みに変わるからです。
変わるルールに惑わされるのではなく、変わらぬ真理に立ち返ること。
その歩みこそが、人生をしなやかに支え、智慧と慈悲を養ってくれるのです。
合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は49日法要や年回忌法要のご縁でもお伝えすることがあります。
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