
感謝は、仏の慈悲と智慧に静かに触れている証でもあります。
ありがとうの心
仏教では「感謝」は、苦しみや悲しみを打ち消す魔法の言葉ではなく、それらを抱えたまま生きていくための“心の灯火”だと説かれます。人生には、思い通りにならないことや、どうしても受け入れがたい出来事が訪れます。そんな時、「感謝しなければならない」と自分を追い込む必要はありません。無理に前向きになることが、かえって心を苦しめてしまうこともあるからです。
それでも、ふと立ち止まった時に「今日も命が続いていること」「誰かがどこかで支えてくれていること」に気づけたなら、その瞬間、心の中に小さな光が灯ります。「ありがとう」と声に出せなくても、心の奥でそっと感じるだけで十分です。その感謝は、仏の慈悲と智慧に静かに触れている証でもあります。
苦しみは消えなくても、感謝の心が芽生えることで、苦しみに押し潰されずに歩く力が生まれます。仏教が大切にするのは、苦しみのない世界を求めることではなく、苦しみの中でも人としての温かさを失わずに生きることです。
感謝とは、何か特別なことをしてもらった時だけに生まれるものではありません。「今、ここに在る命」「当たり前のように過ぎていく一日」に気づいた時、自然と湧き上がってくるものです。日々の小さな「ありがとう」は、人生を大きく変えることはなくても、確かに心を明るく照らし、迷った時の道しるべとなってくれるのです。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は入仏慶讃法要や年回忌法要のご縁でもお伝えすることがあります。
心を込めたご供養については年忌法要のページにまとめています。
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