

土の中で確実に根を張り、見えないところで成長を続けています。
すでに与えられている
人は目の前の足りないものには気づきやすいけれど、すでに与えられているものには気づきにくいものです。
「あれが欲しい」「もっとこうなりたい」「もっと良い環境があれば幸せになれるのに」
私たちの心は、いつも今ここにはないものを追い求めています。そのため、持っていないものばかりを見ている時は、不安や焦りが生まれ、今ある幸せを見失ってしまうことがあります。
しかし、少し立ち止まって人生を振り返ってみるとどうでしょうか。
支えてくれる家族や友人とのご縁。健康な身体。住む場所があること。毎日食事ができること。そして、これまで積み重ねてきた経験や学び。
当たり前だと思っていたものの中に、実は沢山の恵みがあったことに気づかされます。
仏教では、すべてのものはご縁によって成り立っていると説かれています。
私たちが今ここに生きていることも、決して一人の力ではありません。数え切れないほどのご縁に支えられながら生かされているのです。
ところが人は、今育っているご縁よりも、まだ手にしていないものに心を向けてしまいます。
種を蒔いても、すぐに花は咲きません。しかし、土の中では確実に根を張り、見えないところで成長を続けています。
それと同じように、ご縁もまた見えないところで育っています。
形になっていないからといって違うものを求め、今あるご縁を疎かにしてしまえば、本来咲くはずだった花まで失ってしまうかもしれません。
私たちは知らず知らずのうちに、このようなことを繰り返してしまっているのかもしれません。
仏教には「知足(ちそく)」という教えがあります。足るを知るとは、向上心を捨てることではありません。
今あるものに満足して何もしないことでもありません。
すでに与えられている恵みやご縁に気づき、その有り難さを忘れずに歩んでいくことです。
今あるものに目を向けた時、私たちは不足の世界ではなく、恵みの世界を生きていたことに気づきます。
未来の幸せは、新しい何かの中ではなく、すでに与えられているものの中にあるのかもしれません。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は49日法要や祥月命日法要のご縁でもお伝えすることがあります。
ご家族が心を合わせて勤める大切な節目については四十九日法要ページを参照して下さい。
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