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【四顛倒の妄念】(してんどうのもうねん)

仏教には「四顛倒(してんどう)」という教えがあります。これは、私たちが物事を誤って認識してしまう四つの迷いを指しています。「無常を常と思い、苦を楽と思い、無我を我と思い、不浄を浄と思う」というものです。たとえば、私たちは変化し続けるこの世界を、どこか永遠で不変だと感じてしまいます。人間関係や財産、健康などを「永続的なもの」として信じることで、それらを失ったときに大きな苦しみを感じるのです。また、快楽や安楽に執着し、それが真の幸福だと思い込むことで、心が縛られてしまいます。これが四顛倒による妄念です。

仏教では、この迷いを反転させることで真理を見つめることを教えています。それが「常楽我浄」の境地です。たとえば、無常であることを嘆くのではなく、無常であるからこそ変化を楽しみ、新たな可能性を見出すことができる。快楽の追求ではなく、静かな心の中に真の楽(幸福)を感じることができる。さらに、自分を「我(が)」という固定的な存在だと捉えるのではなく、すべての存在が因果の中で相互に支え合っていると理解する。そして、不浄と思われるこの世を浄らかな心で受け止め、そこに仏の慈悲を見出すのです。

日の出は、四顛倒の闇に光をもたらす象徴です。夜の暗闇に覆われていた世界が、朝日とともに新しい一日を迎えるように、私たちの心も日の出とともに妄念を手放し、真理を見つめる機会を得ることができます。明日の朝、日の出を眺めながら、移ろいゆくものの美しさを感じ、心に新しい光を取り入れる一日にしてみてはいかがでしょうか。それが仏の教えに気づく第一歩となるでしょう。合掌🙏

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この記事を書いた人

大阪府東大阪市の龍眞院(代表 小田昌良)です。浄土真宗本願寺派の僧侶として、関西一円でお葬式や法要を心を込めてお勤めしております。

ご縁をいただいた方々が、阿弥陀如来の大きな慈悲に包まれ、少しでも安心してご先祖供養に向き合っていただけるよう、日々精進しております。

このホームページでは、仏事に役立つ情報や仏教の教えを日常に活かす法話を発信しています。

またXでも法話を配信し、より多くの方に仏縁を結んでいただけるよう努めております。

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