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【他者を許すことが、心の平和をもたらす】

仏教の基本的な教えに「慈悲」があります。これは他者の苦しみを取り除き、安らぎを与えることを目指す心の在り方です。その中で「許し」は重要な実践です。許しとは、単に相手を大目に見ることではなく、自分の心に巣食う怒りや憎しみを解き放つ行為でもあります。

怒りや憎しみは、火のようなものです。他者に向けたはずの怒りは、最終的には自分の心を焼き尽くします。日常の中で誰かに傷つけられたり、理不尽な出来事に遭ったりすると、その痛みを抱え続けるのは自然なことかもしれません。しかし、その感情を長く持ち続けると、自分自身の心が苦しみ続けます。仏教では、その苦しみから解放される道として「許し」を説いています。

許しとは相手の行為を正当化することではありません。それは、相手の過ちを認めた上で、その行為に縛られる自分自身の心を解放する行為です。許しを通じて、私たちの心は柔らかくなり、穏やかになります。また、許すことで相手との関係性にも変化が生まれることがあります。許しの心をもつことで、相手も変わるきっかけになるかもしれません。

阿弥陀仏は、すべての衆生を分け隔てなく救う慈悲の存在です。どんな過ちも含めて受け入れる阿弥陀仏の心に触れるとき、私たちも少しずつ許しの心を育む勇気が湧いてきます。もちろん、許しは簡単なことではありません。時に時間がかかり、葛藤することもあるでしょう。しかし、阿弥陀仏の無条件の慈悲を心に思い描き、その光の中で自分の苦しみを手放す努力を重ねることで、私たちの心に平和が訪れます。

他者を許すことは、自分自身の解放でもあります。心を縛る鎖を断ち切り、穏やかで自由な人生を歩むために、「許し」の心を日々育てていきましょう。

許しの実践は、他者への贈り物であり、自分自身への最高の救いでもあります。合掌🙏

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この記事を書いた人

大阪府東大阪市の龍眞院(代表 小田昌良)です。浄土真宗本願寺派の僧侶として、関西一円でお葬式や法要を心を込めてお勤めしております。

ご縁をいただいた方々が、阿弥陀如来の大きな慈悲に包まれ、少しでも安心してご先祖供養に向き合っていただけるよう、日々精進しております。

このホームページでは、仏事に役立つ情報や仏教の教えを日常に活かす法話を発信しています。

またXでも法話を配信し、より多くの方に仏縁を結んでいただけるよう努めております。

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