
焦って判断すると誤った選択をしてしまったり、他人の言葉に振り回されたりすることもあるでしょう。
物事を正しく観ること
仏教には「止観(しかん)」という教えがあります。「止」は心の乱れを鎮めること、「観」は物事を正しく観ることを意味します。心が静かでなければ、真実を正しく見極めることはできません。水面に映る景色を思い浮かべてみましょう。風が吹き、波が立てば映る姿は歪みます。しかし、水面が穏やかであれば、ありのままの姿が映し出される。私たちの心も同じで、怒りや不安、執着に揺れ動いていると、物事を歪めて見てしまうのです。
日常生活では、仕事や人間関係、様々な出来事によって心がかき乱されることが多々あります。焦って判断すると誤った選択をしてしまったり、他人の言葉に振り回されたりすることもあるでしょう。しかし、心を整え、落ち着いて考えることで、より正しい道が見えてきます。良いアイデアや智慧が湧いてくるのも、心が安定している時です。仏教では「静慮(じょうりょ)」といい、静かに思索を巡らせることで真理を深く理解できると説いています。
では、どうすれば心を静めることができるのでしょうか?簡単な方法の一つは「深呼吸」です。何かに追われていると感じた時、目を閉じてゆっくり息を吸い、ゆっくり吐く。これだけでも心の波は落ち着きます。また、一日数分でも瞑想や静かな時間を持つことで、心をリセットしやすくなります。大切なのは、どんな時も「まず心を整える」という意識を持つこと。そうすれば、どんなに状況が厳しくても、真実を見失わず、智慧をもって正しい判断ができるようになります。
心を静かに整え、真実を見極める力を養いましょう。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は彼岸会のご縁でもお伝えすることがあります。春と秋の年二回、ご先祖様に感謝を伝えるご縁が「彼岸会」です。
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