
今、何に執着し、何にとらわれているのかを観察してみましょう。
気づくことが大切
私たちの心には、日々さまざまな雑念が浮かびます。過去への後悔、未来への不安、他人との比較や、叶わなかった願いへの執着。そうした思いが積み重なると、心は重くなり、苦しみを生み出します。しかし仏教では、「すべてのものは移り変わる」と説かれています。つまり、私たちの心に湧き上がる雑念も、本来は留まるものではなく、自然に流れゆくものなのです。
それでも、私たちはしばしば雑念を手放せず、しがみついてしまいます。それはまるで、流れる川の水を無理に掴もうとするようなもの。しかし、どれだけ強く握りしめても、水は指の間からこぼれ落ちていきます。本来、心の中の思いも同じで、無理に止めようとするのではなく、風が雲を流すように、自然に手放すことが大切なのです。
では、どうすれば雑念を流せるのか。それは、まず「気づく」ことから始まります。今、何に執着し、何にとらわれているのかを観察してみましょう。気づくだけでも、心は少し軽くなります。そして、執着の根源を見つめたとき、それが本当に必要なものかを問い直してみるのです。多くの場合、それは「ただの思い込み」であり、手放しても問題のないものなのです。
心を風のように軽やかに保つには、雑念を無理に抑え込まず、自然と流れるままにすること。執着を減らし、今この瞬間に集中することで、心は清らかに澄み渡り、本当の平安へと導かれるのです。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
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