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「有頂天」の先にあるもの 〜天人五衰に学ぶ無常の教え〜

調子の良い時ほど驕らず、苦しい時ほど「これもまた変わっていく」と受け止める。

目次

無常を生きる智慧とは

仏教には「天人五衰(てんにんごすい)」という教えがあります。

これは、天上界で幸せに暮らす天人であっても、やがて寿命を迎え、衰えが訪れるというお話です。

私たちは「有頂天になる」という言葉を日常で使いますが、この「有頂天」という言葉も、もともとは仏教の天上界にある最も高い世界から来ています。

つまり、有頂天とは、本来「天にも昇るほど舞い上がった状態」を意味する仏教語なのです。

天人は、美しい衣をまとい、身体は光り輝き、苦しみも少ない世界で暮らしています。しかし、寿命が近づくと少しずつ変化が現れます。

美しかった衣は汚れ、頭の花はしおれ、身体から汗や臭いが出るようになり、輝きも失われていきます。

そして最後には、不安と恐れから、自分の座に落ち着いて座ることさえ出来なくなると説かれています。

これを「天人五衰」と言います。このお話は、決して天人だけの話ではありません。

私たちもまた、仕事が順調な時、人から認められている時、健康で元気な時など、「この幸せがずっと続く」と思ってしまうことがあります。

しかし仏教では、どれほど幸せな状態も、形あるものは必ず変化していくと説かれます。若さも、健康も、財産も、人との関係も、永遠に同じ形ではいられません。

だからこそ仏教では、「失うこと」を恐れるよりも、「今あることへの感謝」を大切にします。

調子の良い時ほど驕らず、苦しい時ほど「これもまた変わっていく」と受け止める。それが、無常を生きる智慧なのかもしれません。

天人五衰のお話は、「どれほど高い場所にいても、永遠ではない」という現実を通して、“今をどう生きるのか”を、静かに私たちへ問いかけてくださっているように感じます。合掌🙏

「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」

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この記事を書いた人

大阪府東大阪市の龍眞院(代表 小田昌良)です。浄土真宗本願寺派の僧侶として、関西一円でお葬式や法要を心を込めてお勤めしております。

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