

年齢を重ねなければ得られないものもあります。
『心の力』とは
私たちは若い頃、「強い人」と聞くと、力がある人や勢いのある人を思い浮かべることが多いものです。しかし年齢を重ねるにつれて、そのような力だけでは乗り越えられない出来事に出会います。
思い通りにならない現実、大切な人との別れ、身体の衰え、病気や不安。人生には自分の力ではどうにもならないことが数多くあります。
すると、「昔のようにできなくなった」「自分は弱くなった」と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、本当にそうでしょうか。
力や勢いは年齢とともに弱くなっていきます。それは誰にも避けることのできない無常の姿です。しかし、自分の心を見失わない『心の力』は、年齢を重ねるほど深まっていくことがあります。
若い頃にはすぐに腹を立てていたことでも、人生経験を積むことで「相手にも事情があるのかもしれない」と考えられるようになります。
すぐに答えを求めていた人が、焦らず待つことを覚えることもあります。
苦しみや悲しみを経験した人ほど、人の痛みに寄り添えるようになることもあります。
これらはすべて、人生の中で育まれた『心の力』ではないでしょうか。
仏教では、怒り・欲・愚かさを人を苦しめる煩悩として説いています。特に怒りは、自分自身の心を焼き尽くしてしまう火のようなものです。
私たちは日々の生活の中で、その火が燃え上がることがあります。しかし大切なのは、怒りが湧かないことではありません。
怒りに支配されず、自分の中に育まれた『心の力』で、その火を少しずつ鎮火させていくことです。
そこに本当の強さがあるのだと思います。
年齢を重ねることで失われるものもあります。しかし同時に、年齢を重ねなければ得られないものもあります。
人生経験によって育まれた智慧、優しさ、思いやり、そして自分の心を見つめる力です。
若さや力を失ったと嘆くのではなく、今だからこそ育てられる『心の力』に目を向けてみたいものですね。合掌🙏
「若さや力は無常によって変化すれど、『心の力』は育てることができます」
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は49日法要や入仏式のご縁でもお伝えすることがあります。
仏教では亡き方を偲ぶ最初の大きな法要が49日です。
新しい仏壇をお迎えする時には、感謝とご縁を結ぶ入仏慶讃法要を行います。
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浄土真宗本願寺派の正式僧侶である私が、責任をもってお勤めいたします。