

何気ない日常の風景の中にも、大切な気づきが隠されているのです。
何もせず過ごす時間も必要
電車に乗ると、多くの人がスマホの画面を見ています。
窓の外の景色を眺める人や、何もせず静かに過ごしている人は少なくなったように感じます。
もちろん、スマホはとても便利な道具です。仕事や調べもの、家族や友人との連絡など、私たちの生活に欠かせない存在となりました。
しかし、その便利さの中で、私たちは少しずつ失っているものがあるのかもしれません。
スマホがなかった頃、電車の中で外の景色を眺めたり、これからのことを考えたり、過去の思い出を振り返ったりする時間がありました。
特に目的もなく空を見上げたり、風景を眺めたりする時間は、一見すると無駄な時間のように思えるかもしれません。しかし、そのような時間の中で私たちは自分自身と向き合い、心を整えていたのではないでしょうか。
仏教では、自分の心を見つめることを大切にします。
私たちの苦しみの多くは、外の世界ばかりを追いかけて、自分自身の心を見失うところから始まります。
次々と流れてくる情報を追いかけていると、知識は増えるかもしれません。しかし、知識が増えることと、心が豊かになることは同じではありません。
私自身、先日寝る前に三十分ほど何もせず、ただぼーっと過ごしてみました。
すると不思議なことに、最近なかなか思い浮かばなかった法話の言葉が自然と心の中から湧いてきたのです。
言葉を探しに行った時には見つからなかったものが、立ち止まった時に見えてきました。
まるで濁った水が静かになると底が見えるように、心もまた静かな時間の中で本来の姿を現してくれるのかもしれません。
スマホから情報を得ることは大切です。
しかし時にはスマホを置き、空を見上げたり、季節の移ろいを感じたり、何もせず過ごす時間も必要なのではないでしょうか。
人生の景色は、スマホの画面の中だけにあるのではありません。
何気ない日常の風景の中にも、大切な気づきが隠されているのです。
何もしない時間の中にこそ、自分の内側から大切な言葉が聞こえてくるのかもしれません。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は49日法要や遷仏法要のご縁でもお伝えすることがあります。
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