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人によって悲しみの深さも、その心の動きもさまざまです。
仏教で「三世十方(さんぜじっぽう)」とは、過去・現在・未来の「三世」と、あらゆるご縁や世界を表す「十方」を合わせた言葉です。
私たちの心もまた、一つのところに留まることなく、過去を思い返し、現在を受け止め、未来へと思いを巡らせながら、さまざまなご縁の中を動き続けています。
私はお葬式や法要のお勤めをさせていただく中で、このことを何度も実感してきました。同じ故人様をお見送りするご家族であっても、その悲しみは決して同じではありません。
「もっと会いに来れば良かった」と悔やむ方。
「これから一人でやっていけるだろうか」と不安を抱える方。
「最後に笑顔で話せて良かった」と感謝の気持ちを持たれる方。
同じお葬式の席にいても、それぞれの心は違う方向を向いています。
過去への後悔、現在の寂しさ、未来への不安や願い。
そのすべてが重なり合い、一人ひとり異なる悲しみとなって現れるのです。
だからこそ、人の心を簡単に決めつけることはできません。
私たちは、つい「きっとこう思っているのだろう」と相手の気持ちを想像してしまいます。しかし、その人の心の中には、言葉では表せない思いや、周りには見えない背景があるかもしれません。
また、人によって悲しみの深さも、その心の動きもさまざまです。
だからこそ大切なのは、相手を理解したつもりになることではなく、「まだ私には分からない思いがあるのかもしれない」と耳を傾ける姿勢ではないでしょうか。
これはお葬式だけの話ではありません。家庭でも、職場でも、友人との関わりの中でも同じです。
何気ない一言の裏には、その人だけの悩みや苦しみ、喜びや希望が隠れていることがあります。
私たちは、自分の物差しだけで人を判断してしまうことがあります。しかし、人の心は三世十方に向かって動き続けています。
だからこそ、その心を決めつけるのではなく、言葉にならない思いにも静かに耳を澄ませながら、思いやりの心で寄り添っていきたいものです。
心は、言葉よりも深い。
そのことを忘れず、今日も一人ひとりとのご縁を大切に歩ませていただきましょう。合掌🙏
「三世」は過去・現在・未来、「十方」はあらゆる方向や世界を表す仏教の言葉です。私たちの心もまた、時間やご縁の中を絶えず動き続けています。この法話では、その教えを通して「人の心は一人ひとり違い、簡単に決めつけることはできない」ということを味わっていただければと思います。
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
この法話は初盆法要や盂蘭盆会のご縁でもお伝えすることがあります。
故人が亡くなられて初めて迎えるお盆を「初盆」といいます。
毎年ご先祖様を偲び、感謝を伝える大切な行事が「盂蘭盆会」です。
関西で出張法要・お坊さん派遣をご希望の方へ
浄土真宗本願寺派の正式僧侶である私が、責任をもってお勤めいたします。