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言葉を足さない思いやり ― 沈黙の中にも慈悲は宿る

沈黙の中にも、相手を思いやる慈悲の心は宿ります。

目次

言葉がなくても伝わるもの

誰かが悩みや悲しみを打ち明けてくれた時、私たちは「何か良いことを言わなければ」「少しでも励ましてあげなければ」と思うことがあります。それは相手を大切に思うからこその気持ちでしょう。

しかし、相手が本当に求めているものは、いつも答えや助言とは限りません。

深い悲しみの中にいる時、「頑張って」「前を向いて」と言われても、その言葉を受け止める力さえ残っていないことがあります。また、辛い気持ちを十分に話した後に、さらに多くの言葉を重ねられることで、かえって心が疲れてしまうこともあります。

そんな時には、静かに話を聞き、相手の気持ちに心を寄せながら、沈黙で受け止めることで、心が少し安らぐこともあるでしょう。

仏教では「慈悲」の心を大切にします。慈悲とは、単に何かをしてあげることではありません。相手の苦しみに心を寄せ、その人にとって何が必要なのかを考えることも慈悲の姿です。

だからこそ、言葉をかけることが慈悲になる時もあれば、あえて言葉を足さないことが慈悲になる時もあります。場合によっては、「何も言わない」という選択まで慈悲になり得るのです。

大切なのは、「自分なら何と言ってあげられるだろう」と考えることだけではなく、「今、この人には何が必要なのだろう」と相手の心に目を向けることではないでしょうか。

沈黙とは、無関心ではありません。

隣に座ること。静かにうなずくこと。同じ時間を共にすること。そこに相手を思う心があるなら、言葉がなくても伝わるものがあります。

沈黙の中にも、相手を思いやる慈悲の心は宿ります。

言葉を届ける優しさと、言葉を足さない優しさ。そのどちらか一方ではなく、目の前の人の心を見つめながら、その時に必要な寄り添い方を選んでいきたいものですね。合掌🙏

「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」

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この記事を書いた人

大阪府東大阪市の龍眞院(代表 小田昌良)です。浄土真宗本願寺派の僧侶として、関西一円でお葬式や法要を心を込めてお勤めしております。

ご縁をいただいた方々が、阿弥陀如来の大きな慈悲に包まれ、少しでも安心してご先祖供養に向き合っていただけるよう、日々精進しております。

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