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沈黙の中にも、相手を思いやる慈悲の心は宿ります。
誰かが悩みや悲しみを打ち明けてくれた時、私たちは「何か良いことを言わなければ」「少しでも励ましてあげなければ」と思うことがあります。それは相手を大切に思うからこその気持ちでしょう。
しかし、相手が本当に求めているものは、いつも答えや助言とは限りません。
深い悲しみの中にいる時、「頑張って」「前を向いて」と言われても、その言葉を受け止める力さえ残っていないことがあります。また、辛い気持ちを十分に話した後に、さらに多くの言葉を重ねられることで、かえって心が疲れてしまうこともあります。
そんな時には、静かに話を聞き、相手の気持ちに心を寄せながら、沈黙で受け止めることで、心が少し安らぐこともあるでしょう。
仏教では「慈悲」の心を大切にします。慈悲とは、単に何かをしてあげることではありません。相手の苦しみに心を寄せ、その人にとって何が必要なのかを考えることも慈悲の姿です。
だからこそ、言葉をかけることが慈悲になる時もあれば、あえて言葉を足さないことが慈悲になる時もあります。場合によっては、「何も言わない」という選択まで慈悲になり得るのです。
大切なのは、「自分なら何と言ってあげられるだろう」と考えることだけではなく、「今、この人には何が必要なのだろう」と相手の心に目を向けることではないでしょうか。
沈黙とは、無関心ではありません。
隣に座ること。静かにうなずくこと。同じ時間を共にすること。そこに相手を思う心があるなら、言葉がなくても伝わるものがあります。
沈黙の中にも、相手を思いやる慈悲の心は宿ります。
言葉を届ける優しさと、言葉を足さない優しさ。そのどちらか一方ではなく、目の前の人の心を見つめながら、その時に必要な寄り添い方を選んでいきたいものですね。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
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