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その小さな積み重ねが、やがて自分の心を整え、自分自身を支える力となっていきます。
初めてすることや、慣れていないことは、思っている以上に疲れるものです。手順を考えながら動かなければならず、思うようにできなければ、「面倒だな」「もうやめたいな」と感じることもあるでしょう。
しかし、不思議なもので、同じことを何度も繰り返していると、少しずつ要領が分かり、身体も心も慣れてきます。最初は「頑張らなければできなかったこと」が、やがて「いつものこと」へと変わっていくのです。
仏教には「薫習(くんじゅう)」という言葉があります。
これは、香りが衣服に少しずつ染み込んでいくように、私たちが繰り返した行いや経験が心に染み込み、やがて考え方や生き方にまで影響を与えていくことを表しています。
ただし、薫習は単なる「習慣化」という意味だけではありません。唯識では、行いや経験が心に影響を残し、その影響が後の心や行いにも働いていくと考えます。
つまり、私たちは何かを繰り返すたびに、同じ場所をぐるぐる回っているのではありません。その一回一回が心に何かを残し、次の自分へとつながっているのです。
掃除をする。身体を動かす。人に感謝を伝える。自分の心を見つめる。初めは面倒だったことでも、繰り返すうちに自然とできるようになることがあります。
反対に、不平や愚痴、怒りなども、繰り返せば心に染み込んでいきます。だからこそ、「何を繰り返すのか」は、とても大切なのではないでしょうか。
善い行いを一度したから完成するのではありません。今日できたことを、明日もまた続けてみる。その小さな積み重ねが、やがて自分の心を整え、自分自身を支える力となっていきます。
苦だったことが習慣へ変わり、その習慣が自分を支えてくれる。
今日の小さな繰り返しが、気づかないところで明日の自分を育てているのです。合掌🙏
「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」
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