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一番近くにいる人へ ― 八正道「正業」が教えてくれる日々の行い

正業とは、誰かに評価されるための善行ではありません。

目次

身近な人には甘えが生まれる

私たちは「善い行い」と聞くと、困っている人を助けたり、多くの人の役に立つ活動をしたりすることを思い浮かべるかもしれません。しかし、仏教で説かれている八正道の「正業(しょうごう)」は、そのような特別な行いだけを意味するものではありません。

約束を守ること。時間を守ること。困っている人にそっと手を差し伸べること。そして、自分に任された仕事を誠実に行うこと。こうした何気ない日々の積み重ねこそが、「正業」の実践なのです。

私たちは社会の中では、責任感を持って行動することができます。仕事では時間を守り、相手に失礼のないように気を配り、約束もきちんと果たそうと努力します。それは、信頼を失わないためでもあり、自分自身の役割を果たそうとする気持ちがあるからでしょう。

しかし、その一方で、家族や親しい人など、一番身近な存在にはどうでしょうか。

仕事では誠実にできることでも、身近な人には甘えが生まれ、つい思いやりや感謝の気持ちを後回しにしてしまうことがあります。「これくらいなら大丈夫」「言わなくても分かってくれるだろう」と、自分でも気づかないうちに相手の優しさに甘えてしまうことはないでしょうか。

実は、こうした小さな行いの積み重ねが、ご縁を深めることもあれば、ご縁を遠ざけてしまうこともあります。人との信頼関係は、大きな出来事によって築かれるのではなく、日々の小さな約束や気遣いの積み重ねによって育まれていくものです。

正業とは、誰かに評価されるための善行ではありません。当たり前のことを当たり前に続けること。そして、社会だけではなく、一番近くにいる大切な人に対しても、その誠実さを忘れないことです。

浄土真宗では、自分の力だけで完全な人間になれるとは考えません。だからこそ、教えを聞きながら、「自分は身近な人に甘えていないだろうか」「今日の行いは相手を大切にできていただろうか」と振り返ることが大切なのです。

毎日の行いは、小さなことばかりかもしれません。しかし、その小さな一歩の積み重ねが、自分の心を育て、ご縁を育み、温かな人生へとつながっていきます。

今日という一日も、一番身近な人への誠実な行いを大切に過ごしていきたいものですね。合掌🙏

「この記事は、浄土真宗本願寺派 龍眞院『お坊さん@出張®』がお届けしました。」

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この記事を書いた人

大阪府東大阪市の龍眞院(代表 小田昌良)です。浄土真宗本願寺派の僧侶として、関西一円でお葬式や法要を心を込めてお勤めしております。

ご縁をいただいた方々が、阿弥陀如来の大きな慈悲に包まれ、少しでも安心してご先祖供養に向き合っていただけるよう、日々精進しております。

このホームページでは、仏事に役立つ情報や仏教の教えを日常に活かす法話を発信しています。

またXでも法話を配信し、より多くの方に仏縁を結んでいただけるよう努めております。

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